子どもたちに「楽しいこと,うれしいこと」を尋ねると,「ゲームをすること」や「○○を買ってもらうこと」「○○をしてもらうこと」といった答えが返ってくることが多くなっているように感じます。
これらは,総じて受け身の行動であり,言うなれば与えられた楽しさではないでしょうか。

また,スポーツの場面にさえ「感動をありがとう」を合言葉に,歓喜や栄光の場面のみを見たがり,また,そのシーンがドラマ仕立てでマスコミ等に取り上げられることも多いため,受け身の姿勢が多く見られ,自ら行動を起こすことを必要以上に恐れているように感じます。
行動を起こすということは,失敗したり傷ついたりすることを当然伴いますが,与えられた喜び・楽しさよりも,たとえ失敗や挫折があっても,それを乗り越え,成果を得られたときの喜び・楽しさの方に意味があり,それ以後の人生の糧となると思います。

喜び・楽しさの大きさは,主体的なかかわりの大きさや行動を起こすときに要したエネルギーの大きさに比例するもののようにも感じます。
その体験をより多くの場面で,より多くの子どもたちに味わわせるようなかかわりができるようにしたいと思います。