終戦直後から戦災孤児救済活動を推進した,長野県円福寺住職:藤本 幸邦氏の詩を紹介します。

  はきものをそろえる

 はきものを そろえると 心もそろう
 心がそろうと はきものもそろう
 ぬぐときに そろえておくと
 はくときに 心がみだれない
 だれかが みだしておいたら
 だまって そろえておいてあげよう
 そうすれば きっと
 世界中の 人の心も そろうでしょう

禅の修行寺の玄関には,「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という札が立ててあるそうです。「自分の足元を見よ」「自分の行いを見よ」という意味だそうです。それを子どもにも分かるように,そして,それがいつも行動として身につくようにと考えたのが,上の詩なのだそうです。

誰かのはきものが乱れていたら,黙ってそっとそろえてあげられるような人こそが,本当に思いやりのある人なのだと思います。