
朝早くから有川の町に鳴りひびく太鼓の音・・・。写真は先日行われた有川の伝統である「弁財天(メーザイデン)」の様子です。「祝う目出度の さあ弁財天の浦よなー…」と太鼓を叩きながら、各事業所や地区の家々を回り、商売繁盛、家内繁栄を祈願し、うたってくれました。
この祭りの開催は、現在は、休みの日に開催するようになったそうですが、本来、毎年1月14日頃の早朝に行っていたそうです。朝から若者が数名一組になって太鼓を叩き、各家の玄関先にて無病息災・家内安全を願って、威勢よくこの祝い唄を披露します。祝い唄が聴こえてくると、捕鯨で栄えた有川のまちの姿が思い起こされると、参加された地元の方は口々に言われます。若者も少なくなっている現在、地域全体で協力しながら大切に守っているようです。東浦の子供たちも同じ有川地区とあって、数名まざって太鼓をたたいていました。

この日に向けて太鼓打ちの練習をしてきた地域の方々、子供たち!お疲れさまでした。 国指定重要無形民俗文化財に指定されている五島神楽(有川神楽・上五島神楽)、捕鯨の歴史を伝える伝統行事「弁財天(メーザイデン)」などの郷土芸能も上五島ならではの魅力です。江戸時代に有川鯨組を起こし、地域の発展に尽くした「江口甚右衛門正利」さんが、江戸評定所に4度も赴いて、鯨漁の権利を勝ち取ったと聞いています。その帰り、途中に江の島の弁財天の分霊を奉じて浜地区の小島に祭ったことが「弁財天(メーザイデン)」の始まりだと書いてありました。とにかく捕鯨の歴史を郷土芸能として、昔から愛され続けた伝統行事だそうです。甚右衛門さんの功績を称えるとともに有川地区の人々の伝統を守る心意気が伝わります。

たくさんの子供たちに参加してもらい、上五島の伝統行事をぜひ直に感じて、伝承してもらいたいと感じました。